なばなの里

なばなの里の写真1
なばなの里の写真1

済生会明和居宅介護支援センター 鈴木雅子

 4月22日
 
 「あ、晴れてる。よかったあ・・」目覚めてすぐに、外を見る。ここ何日か続いていた雨が上がり、青空がのぞいている。今日は、薗部さんのお出かけの日。1月ほど前から、みんなで相談し計画を立て準備をしてきた。メンバーは、泰子さん、ご主人、訪問看護の中村婦長、エールの会の笠井さん殿村さん、保健師の野村さん、タクシー運転手の西村さんとケアマネ担当の鈴木で総勢8名だ。9時に薗部さん宅に集合。遠足に行く日のようにソワソワしてしまう。少し早めに行くと、婦長さん野村さんはみえてて準備をされている。忘れ物はないかチェックをしていく。暫くすると笠井さん殿村さんもみえ、テキパキと準備が進んでいく。泰子さんもおしゃれをしてストレッチャーに乗り込む。いざ出発。伊勢自動車道を通り一路なばなの里へ。なばなの里は平日にもかかわらず賑わっている様子。駐車場にもどんどんとバスが入ってくる。車に気を付けながら駐車場で車椅子に乗り換えゲートをくぐる。人出は多いけれどこれなら車椅子でもゆっくりと回れそうとほっとする。園内は、たくさんの花が咲き何かの絵を見ているみたい。ふと、泰子さんを振り返るとすごくいい笑顔をされている。見ている私の胸がじん、と熱くなってくる。チューリップ畑は圧巻だった。色の帯が幾重にも重なり虹のようにもみえる。天気もよくすごく気持ちが良い。チューリップ畑を背にして泰子さんとご主人で記念撮影。その後、みんな入って写真をとってもらう。花壇の間を泰子さんを囲み話しながら歩いていくとベゴニアガーデンについた。素通りしようか、と思っていたら泰子さんが「入る」とのこと。大きな温室のようなベゴニアガーデンにはいるとバラかぼたんかと思うようなベゴニアが何段にも咲いている。いままで自分が見てきたベゴニアとの違いに本当にベゴニアがと疑ってしまいたくなる。摂る事ができないので、落ちている花を野村さんが見せに持って来て泰子さんの胸元に飾っている。心なしか、みんなの顔もいつもより華やいでいるように感じる。
 
 その後、喫茶店に休憩に入る。少し先に行き、お店の人に事情を話し席をとらせて貰う。ちょうど入り口近くでコンセントも近くにある席が空いている。お店の方が気を利かせてとっておいてくれたのかもしれない。コンセントも気持ちよく貸していただきバッテリーも切れることなく間に合った。皆と一緒に泰子さんもコーヒーを味わう。喫茶店のコーヒーは久しぶりなんだろうなあ、と思いながら口にたまったコーヒーを交替で吸引する。
 
  ひと休みした後は、車に乗り込みにぎやかに帰路につく。「楽しかったなあ。また、行きたいなあ」と自然に口から出てくる。本当にすごく楽しかった。今晩は、疲れで泰子さんもご主人も寝ることが出来るかなあ・・と思いながら、みんなの元気をもらい、なばなの里のスタッフをはじめ関わっていただいた方々に感謝しつつ家路についた。 

なばなの里の写真2 なばなの里の写真3
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