いざという時の電源確保
本日(15日)、四日市で避難訓練を行った際に、大府の国立長寿医療センターの根本先生も参加していただき、車のバッテリーを利用するインバーター付の電源の試作品を見せて頂きました。1万円位で製作していただけるとのことでした。
また、メタノールを使った燃料電池のデモもしてもらいました。こちらは、価格が70万円とまだまだ一般人の手が届く金額ではありませんが、技術はここまで来たのか!と感激しました。
通常、ガソリンを使った発電機では、毎月1回はエンジンを始動しておかないと、いざという時に使えなくなるので、メンテナンスが結構大変で、発電している時は、騒音はやかましく、排気ガスの問題もあり、到底、室内では使えません。
本日デモしてもらった燃料電池は、メタノールを使って電気分解の反対の反応を起こさせて、発電する装置です。電気を発電した後は、水と二酸化炭素しかでません。音もほとんどせず、静かでした。バッテリーに接続しておいて、電圧が下がってきたら自動的に発電して充電し、充電が完了したら自動的に停止するものでした。
災害時の電源確保の提案
国立長寿医療センター研究所 根本哲也,伊藤安海
株式会社 アイム 桜井 亨
連絡先:nemo@ncgg.go.jp
台風18号(平成21年10月8日5時過ぎに知多半島付近に上陸)では,四日市市で183.0mmの最大24時間降水量が観測されるなど,大雨,強風,高波などの影響を受けて,各地に土砂災害や浸水による被害が多く発生しました.この台風の影響で広範囲で停電が発生し,夕方まで復旧しない地域もありました.人工呼吸器を使われているご家庭では,大変なご心配をなされたことと思います.
今回は停電などの状況が予想できましたので,電源の確保や非常用電源のある施設への一時避難など対策をとられた方もいらしたことと思います.しかし,実際には雨の中の移動は大変ですし,避難先の電源状態が必ずしもよいとは限りません.また,何時おこるかわからない地震の場合は,あらかじめ避難することもできないと思います.
電源の確保として非常用電源を準備される方もいらっしゃいますが,アウトドア用のポータブル電源やエンジン発電機は,高価であったり使用する場所が限られてしまうなどの問題もあり,実際に使用する段階で困ることも予想されます.
もっとも簡便な電源としてご提案したいのは,自動車のバッテリーを利用する方法です.人工呼吸器は自動車で使用できるように作られていることが多いため,自動車のバッテリーから電源をとることが可能です(メーカーに確認してみてください).
車のシガーソケットから電源をとる方法もありますが,家の中まで届くコードを準備する必要がありたいへんです.もしお近くの方で自動車のバッテリーを外すことができる方がいたら,人工呼吸器のそばまでバッテリーを持ってきてもらえれば,直接コードを接続して使用できます.
写真1のようなバッテリーと接続するクリップとシガーソケットを用意しておけば,簡単に使用できます(なお,極性にはご注意ください).
写真2は充電器とバッテリーをパッケージにした試作品です.このようなものがあれば持ち運びに便利なので災害時に慌てることもなく,どこでも人工呼吸器を使用することができます.最初はあらかじめ用意してあるバッテリーを利用して(写真2),次のバッテリーを準備していけば,長時間の人工呼吸器の使用が可能になります(写真3).
DIYで比較的簡単に作れますので,ご興味のある方はぜひチャレンジしてみてください.
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写真1 バッテリーに接続したシガーソケット |
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写真2 充電器とバッテリーをパッケージにした試作品 |
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写真3 車から外したバッテリーを使用 |
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